3「使われなかった機体」

散々な評価をいただいた翌月(2001年12月)、これを投稿してみました。テーマは「自由」ということで、「自分に正直でいる自由」が書きたかった内容です。
設定を考えるにあたり朱鷺・卒研生の17ヶ月という自作から登場人物を引っ張ってきました。「朱鷺」から何年か後、助教授になった州崎とその家族が登場します。もっとも、そんなこと気にせずに読んでいただいてかまわないわけですが。
バルキリー(XB-70です。変形しません)が出てきますが、実は飛行機には余り詳しくありません、その言い訳がそこかしこに見える点がご愛敬です。
評価は多少向上しましたが、「読みにくい」という意見が多かったように記憶しています。母親の口調の変化が不自然という感想もありました。
私は以前からずっと、女性の口調をどうするかを悩んできました。女言葉がどうしても不自然になってしまうのです。例えば「……だわ」と言う語尾ですが、こういう言い方はポピュラーなのか、どのような女性がどんなとき使用するのか、と言った点を(妙な話ですが)悩みました。
もちろん、作り物めいた口調で別の効果をねらうと言う手もあるとは思います。この点に関してはこれ以降(もちろん、今も)繰り返しいろいろとトライしてゆくことになります。