本宮ひろ志氏の「国が燃える」休載
SF作家の山本弘氏が、ご自分の掲示板で発言していた内容に深く同意するものであります。
以下は No.18599 2004/04/19(Mon) 16:50 の発言より一部引用
(前略)
何年か前には南京大虐殺についての本を書こうと思ったこともあったけど、やめました。
僕がかかわりたくない最大の理由は、これが歴史論争じゃなく、イデオロギー論争だからです。
確かに南京大虐殺本の著者の中には、真摯に歴史の真実を解明しようとしている人もいます。しかし、多くの人は(右であれ左であれ)自分の政治的信念を主張したいだけで、真実なんかどうでもいいように見えます。彼らは自分に都合のいいように真実を歪めます。
資料から引用する際に正反対の意味にしまう人とか、
重要な証拠を無視する人とか、
資料を改竄する人とか、
トンデモない珍解釈をする人とか、
そのうえ、そうした行為をする人たちを擁護したり賞賛したりする人たちがわんさかいる。
まさに『神は沈黙せず』のテーマである、「人は信じたいものしか信じない」の世界です。だからこそ、小説の中にその話を持ってきて、加古沢にそれを揶揄させたんです。
僕はこの論争に絶望しています。決着がつくことは決してないと思っています。お互いにどんな証拠を提示されても動じない人たちなんですから。僕はそんなもんにかかわりたくないです。
もちろんそれで「山本弘は議論から逃げた。卑怯だ」という評判が立つことは承知していますが、空しい議論に残りの一生を費やして疲れ果てるより、はるかにましですから。
バードウォッチャーが鳥同士の争いに巻きこまれたら、しゃれになりません。
(後略)
「国が燃える」にまつわる今回の出来事に対しては、やれやれ、という以外に言葉を持ちません。